Junの英語学習ブログー英語通訳・翻訳・ガイド・講師ー

日々の仕事や自分の英語学習について、英語学習経験に基づく英語力向上・資格取得お役立ち情報

子供を英語教室に10年間通わせてみた感想

私が田舎に帰って来てから、子供向け英語教室の講師を4年間やっていたこともあり、うちの子供も私が講師をしていた教室に、1歳半から小学校卒業まで通いました。教室の方針で、小さいうちは親は自分の子供を教えられないことになっていたので、教室で自分の子供を教えたことはありませんでした。そういうことから、手取り足取り教えたわけではなく、教室を辞めてフリーの通訳翻訳、通訳ガイドになってからも、仕事のためあまり子供の英語教育に関わることはできませんでした。

 

多分、多くのお母さん方も、小さい頃は子供の英語に熱心にかかわっていたものの、大きくなってからはそれほどでもない、という状況が続いていたのでは?と思います。そんな風に子供を英語に関わらせて、高校生になった今英語力はどうなったか?ということについて書きます。

 

<1歳半~4歳ごろ>

この頃は、英語に対する躊躇とか恥ずかしさとかそんなものは一切なく、聞かせた英語はそのままの音で発音できて、時々日本語ではなく英語の歌を自然に歌っていたり、教えたら自然に身につく時期でした。この頃は英語教室のほかに、英語と日本語の絵本をクレヨンハウスから取り寄せていて、私が読み聞かせも行っていました。また、英語漬けにしようとしたわけではなく、偶然なのですが、祖父が買ってきた中古のディズニービデオが英語版で、英語で大丈夫だろうかと思いつつもビデオをかけたら、特に何か文句言うでもなく、シンデレラとか、トムとジェリーなどのビデオを見て、自然に英語の歌を覚えたりしていました。NHKの「英語であそぼ」の歌も、見てるうちに教えなくても勝手に覚えました。

 

教室の方でも歌や短いセリフなどの練習をしていたのですが、とってもいい発音ですぐにおぼえることが出来てました。他の親御さんもそうだと思いますが、「このまま行ったら将来バイリンガル!」と期待したものです。英語絵本を読み聞かせても、ある程度のレベルの文章でも抵抗なく聞いていて、なんども読んで欲しいとお願いするお気に入りの英語絵本もありました。

 

また、英語教室のCDをおじいちゃんに頼んで車の中でかけてもらっていました。この頃は一緒に歌ったりしゃべったりして、特に抵抗なく聞いていました。

 

<5歳から小学校2年生ごろ>

この頃から、英語がカタカナになってきて、自然な発音をしなくなってしまいました。でも、この年齢だと、まだやろうと思えば英語らしい発音ができていました。「カタカナじゃなくて、聞こえた通りいってみようよ。」と促してみたのですが、一度は英語らしい発音で話しても、すぐに日本語に戻ってしまいました。私が教えていた子供たちも、こういう子が多かったのですが、多分外国の言葉をカタカナにする法則のようなものが身についてしまったからでは?と思います。少数ですが、英語教育に熱心な家では、発音がそのまま残っている子もいました。小学校6年生までいい発音のまま、という子はまれでした。

 

私も少しがっかりしてしまったのですが、それでも一応ある程度覚えているようだし、宿題の時にはCDやビデオを聞いたり見たりしているので、私も講師をやめ手をあまりかけられなくなってしまったため、「まあいっか」と思っていました。

 

<3-4年生ごろ>

この頃から車で英語のCDを掛けるのを嫌がり始めました。じゃあ、英語教室が嫌いになったのかといえば、そうでもなく、結構楽しそうに通ってはいました。また、教室の検定試験にも順調に合格していたので、そのまま放置していた感じです。発音はすっかりカタカナに近くなりましたが、でもまだ英語っぽい発音には戻せそうな感じがありました。

 

この頃は多分英検のレベルでいうと5級や児童英検の最上級は受ければ受かったのではないかと思います。また、車でCDを掛けるのはいやがりましたが、家できいたり見たりするのは、短時間なら結構ちゃんと見たり聞いたりしていました。

 

小学5~6年生

嫌がらずに休まず英語教室には通っていましたが、家での勉強はややおろそかになってきて、CDは家では宿題以外聞かなくなってしまいました。しかし、少し興味は出てきていたようで、自分から英検を受けると言い出して、4級には合格できました。しかし、教室の検定の小学校としてここまで取れれば立派、という上から2つ目の級はついに合格することができず、非常にがっかりした記憶があります。でも、4級に合格できたので、一応ほっとしました。

 

このように、積極的にバイリンガルにしようとしたわけではなく、私もあまり関与しなかったので、英語教室に通っている子たちが一般的に小6で到達するレベルまでは到達しました、という風になりました。同じ中学に通う子供の中には、小学生で準2級を取ったという子も何人かいたので、正直あまり英語の成績は期待していませんでした。

 

こういう経過を経て、中学、高校とどうなったかについて書きたいと思います。6年生が終了した時点ではがっかりしていたのですが、中学に入ってから、なぜか英検に意欲がわいてきたようで、結果的に準2級までは結構いい成績で合格できました。また、学校での英語も、周りにできる子が多かったので、スピーチコンテストに出るとか、それほど「すごい!」というわけではなかったのですが、成績はいい時はとても良かったし(特にリスニングがあった時)、何の準備もせず、中学で準2級まで一発合格できたので、英語教室に通わせた結果は出ていたと思います。特に、私が教えていて子供が通っていた教室はリスニング重視だったのですが、その成果かリスニングに強くなったのが一番の成果でした。

 

また、発音も普段恥ずかしがってちゃんと発音しないのですが、やればすぐいい発音になりそうな感じで、これも子供の頃音をたくさん聞かせたり、読み聞かせしたからかもしれないと思いました。英語教室でも、「大きくなってから成果が見える」みたいな話を親御さんにはするように言われていました。自分で言いつつ半信半疑でしたが、本当だったんだな、と今では思っています。

 

高校生の今でも、模試はリスニングが強いため結構いい点が取れています。もっと私も関わっていれば、暗唱とかスピーチなどのコンテストも積極的にやるような子供になったかもしれませんが、それはかないませんでした。出張の仕事も多かったので仕方ないかなと思っています。それより、小さい頃除いてこんなにほったらかしたのに、ある程度の成果がでてよかった、と思っています。準2の一次試験では、2級の合格レベルを超えていたので(リスニングのおかげ)、高校在学中に2級と、できれば準1級に挑戦してほしいなと思っています。帰国子女やインターナショナルスクール卒以外で、高校生までに英検1級に受かる子はまれです。また、英語にだけ時間をかけているわけにはいかず、他の教科の勉強もしなくてはなりません。高校生の到達地点は大体が2級くらい、良くて準1級程度なのだから、それほど成果をあせる必要はないと思っています。

 

もちろん、もっとお子さんに手を掛けられる方は、小学校のうちに準1級とか、そういうところを目指しても構わないのではないか?と思います。ある程度勉強が進んだ科目があれば、他の科目に時間を掛けられるので、中学に入ってから勉強面で有利なようです。また、海外に目を開くきっかけにもなるのではないかと思います。

 

逆に、英語は小さい頃から教えないという方針のご家庭もあるかと思いますが、それはそれでいいのではないかと思います。そういう場合には、国語の教育をしっかりした方がいいと思います。英語力も国語力が基礎で、国語が伸びないと英語力も頭打ちになってしまうようです。あと、それでも小さい頃英語の音を聞かせることは、やっておいた方がいいのではないかと思います。他の外国語でもいいのかもしれませんが、お父さんお母さんがある程度理解できる言語の方が、何か質問された時に答えられていいのではないかと思います。また、英語ができると、中国語など他の外国語を学ぶ時にも、発音のコツがわかるようになります。

 

ちなみにうちの子供は、科目の中で1番成績が安定していて点数がいいのは、英語ではなく国語で、次が英語です。国語についてはなぜ成績がいいのか、ちょっとわかりません。もしかすると小さい頃の読み聞かせと、小学校の頃に好きな本はジャンルに関わらず、読みたいだけ読ませたからではないかと思います。立派な本を読んだわけではなく、漫画とオバケの話、あとは動物関係の本でした。多分国語の成績がいいことが、英語にも良い影響を与えていると思います。

 

結論から言って、小さい頃から英語教室に通わせてよかったと思っています。「ぜんぜんダメ」と親が思っていても、自然に身についているんだなと中学校に入ってから実感しました。もし、英語教室に通うことを迷っている方がいたら、試しに通わせてみることをお勧めします。