英語通訳・翻訳・ガイド・講師 Junのブログ

東北を拠点に英語通訳・翻訳・通訳ガイド・英語講師のJunが、英語・教育・手芸などについて発信します。

まだ収まっていない?アフリカの小国マラウィのバンパイア騒動

アフリカ南部、ザンビアタンザニアモザンビークと国境を接する小さな国、マラウィで昨年、人々が吸血鬼と見なした人を殺害する、集団ヒステリーのような事件が連発しました。犠牲者は合計10名に上ります。昨年、JICAの研修員で来日したメンバーからも、情報を得ていて、実際の映像なども見せてもらっていました。どうやら、障害のある人や、よその土地からたまたま来ていた人、外国人などが吸血鬼とされることが多いようです。BBCでもニュースになりました

 

この件について教えてくれた元研修員から、一旦おさまったかに見えた、この騒動が再燃したかもしれないという連絡を、下記のニュースのURLと共に受けました。

https://zodiakmalawi.com/top-stories/mob-attacks-bbc-journalists-in-malawi

zodiakmalawi.com

マラウィの地方都市で、現地のジャーナリストとBBCのジャーナリストがバンパイアと疑われ、襲われ大けがをした、というニュースです。結構大きな事件ではないかな?と思って今日BBCのニュースサイトを探したところ、特にこのような事件があったという記事がなかったので、若干信ぴょう性に疑問がありますが、再燃の可能性が十分ある、ということなのかもしれません。

 

この事件の元々の発祥地はモザンビークだったようですが、それからザンビアの一部やマラウィに、まるで伝染病のように伝播していったようです。実は最初は窃盗をごまかすためだったようですが、それが徐々に、もともとあった地元の伝説と合わさって、人に吸血鬼だという疑いをかけて襲う騒動になってしまったようです。おそらく、背景には、貧困からくる鬱屈した思いの発散、窃盗の言い訳などがあると思われます。私の知り合いのマラウィ人がなぜこの事件が気になるかというと、彼らは鉱山省に勤務していて、時々地方の小さな都市に鉱山の視察や監査に行く必要があるのです。その際に、「よそ者」であることから吸血鬼と疑われる可能性があるからです。

”Looks like this issue of "bloodsuckers" has not stopped.  We have to be careful going to the field although, unfortunately these attacks are unexpected and unprovoked." (吸血鬼の問題は収まっていなかったようだよ。フィールド調査に行くときには注意する必要があるけれど、残念ながら、それらの襲撃は良そうできないし、こちらが挑発したわけでもないのに発生することだしね。)

と、彼は話していました。どうやったら、解決できるんだろう?と聞いてみたら、電力のインフラが整って、停電がなくなれば少し良くなるのでは?(夕方から夜にかけての安全性が増すし、人々がニュースなどの情報にアクセスできる確率が上がるからと思われる)、と言っていました。似たような騒動で、アルビノを襲って殺すという事件もここ数年発生していました。昔からある事件で、これももともとはタンザニアが発祥の地だったらしいのですが、社会問題になったことからマラウィで大々的に行われるようになった、ということらしいです。アルビノの体の一部を持っていると、金運が上がる、という迷信が、根底にはあるようです。

 

マラウィは、世界でも最下位に近い貧困国ですが、首都は以外と発達していて(それでも、24時間越えの停電はざらですが)、今のところリロングウェの中心部ではこのようなことは発生していないようです。しかし、地方に行くと、貧困のため洋服を一枚しか持ってないとか、その日に食べるものにも困ってるような人が大勢いる、とのことでした。やはり、このような状況からくる鬱屈とした思いと、一部よそ者ならこれを口実に物を盗んでも大丈夫なのでは?という思いもあるのではないかと思います。

今までマラウィの人には6~7人実際に会っていますが、皆とてもいい人ばかりでした。マラウィはAfrica's warm heart (アフリカの温かい心)と呼ばれ、基本的に穏やかで協力的な人たちが多いのです。気質的にはアフリカというより、東南アジアの人たちに近いものを感じました。海外青年協力隊のメンバーだった方が書いたブログに、経済発展が遅れている要因の一つに、彼らに「競争心」というものがないからでは?という記載がありましたが、なんとなくうなずけます。

 

最近の経済状況はどうか?と聞いたら「だんだん悪くなってる」ということでした。BBCやマラウィの新聞ニヤサタイムズを見ても、飢饉の恐れがある、という記事があります。冬に来た研修員が「この時期農民がいつも飢えるんだ…。」と言っていたことが思い出されます。

 

実は私も、JICAの仕事をするまではアフリカのことについて、ほとんど何も知りませんでした。遠い場所のことのような気がしていましたが、最近、「今後の発展が見込める場所」ということで、日本企業も注目しているようです。南部の方は、比較的アフリカでも安全性が高い(アフリカの中では、ですが)ところです。この地域の発展に、日本政府や企業が力を貸してくれる(将来大きなリターンもあるかもしれず、win win の関係を築くことができるかも)ことを願います。また、自分も含めて、多くの人が関心を持ち続けてくれることを願います。