Junの英語学習ブログー英語通訳・翻訳・ガイド・講師ー

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Chernobyl チェルノブイリ

アメリカのテレビシリーズ、Chernobylを元旦から昨日の夜にかけて5話全部見ました。1986年にロシアで発生した、世界最悪と言われる原発事故を描いたドラマです。福島の原発事故を上回る規模の、恐ろしい事故だったんだな、と改めて思わされました。被災地へのツアーを扱っている会社の方から勧められて見てみたのですが、一度み始めると面白くて(と言っていいのかわかりませんが)、やめられなくなってしまい、2日には2-4話まで一気に見てしまいました。5話は昨日の夜みました。

 

テレビドラマなので、多少脚色やあったり架空の人物が登場したりするものの、実話に基づいており、主人公は放射能汚染の拡大をできる限り食い止めようとしたレガソフ博士(実在の人物)で、ロシア政府の閣僚会議副議長のシチェルビナ、女性のホミュック博士(架空の人物)がその他のメインキャラクターでした。これを見ると、放射性物質の恐ろしさ、それに勝るとも劣らない共産主義国家の隠蔽体質の怖さがよくわかります。このような大事故が起こると、詳細を隠蔽する傾向があるのは、共産主義国家だけではなく、他の国もそうかもしれませんが…。

 

チェルノブイリ原発上空のヘリコプターでレガソフ博士がシチェルビナ副議長に、「2人とも5年以内に死ぬ確立が高い」というようなことを言う場面がありましたが、本当にそうなってしまいました。ドラマではなく実際にそうだったのが恐ろしいところです。レガソフ博士は自殺(不可解な死、ということです)ですが、副議長の方は原発事故が原因とみられる病死でした。印象に残ったのは、この副議長が「自分は政府に現場に行けと言われていった。自分では一角の重要人物だと思っていたが、結局捨て駒だった」という内容の事をいう場面です。特にこういう大事件が起こる前だと、普通の人は放射能がどれほど危険なのかよくわからなかった、ということもあるでしょうが、危険性が高いということはある程度頭ではわかるので、そういうところへ送り込まれた、ということ自体、確かにそうだったのかもしれません。でも、福島の原発事故やその後何回か汚染地域や付近の視察ツアーの通訳やガイドを行った経験から、私もある程度危険性が分かっていたつもりでしたが、この番組を見るまではこれほど恐ろしいものだとは思いませんでした。おそらく当時のロシア政府の役人や住民も、そうだったのではないかと思います。

 

番組を見ていて、福島で取られた対策と同じ対策が取られているところが何か所かあったので、過去から学ぶことは多少できているのかもしれないと思いました。例えばロボットの導入とか、土の表面をはぎ取るなどです。後でウィキペディアで読んだ内容にあったのですが、無人になったため、野生動物、特にイノシシが増えたとのことですが、福島の原発周辺の立ち入り禁止区域では、イノシシが増えているようです。

 

あと、英語学習という観点からすれば、この番組を見ると原子力放射能関係の言葉がよくわかるようになると思います。自分で仕事で使ったことがある、炉心溶融 core meltdown, 水素爆発 hydrogen explosion等の言葉以外にも、関連する語句が多数出てくるので、エネルギーや環境、被災地視察などの仕事をすることがあるガイドや通訳の方々には、訳に立つと思います。それと、日本語のカタカナが英語になると違った発音になる言葉がありますが、キセノンxenonという物質の発音が、カタカナにすると「ゼノン」という風に聞こえたのが印象に残りました。 

 

今年の3月には、福島の原発事故を扱った「Fukushima 50 」という映画も公開されるようです。うちの子供は福島の原発事故は知ってるけど、チェルノブイリは知らなかったそうです。欧米では、若い人がチェルノブイリの見学ツアーに行ったりしてるそうです。怖いもの見たさという側面もあるかもしれませんが、やはり実際に危険のない範囲でこういう場所を見て、このような災害が二度と起こらないようにすることも大事ではないかと思います。チェルノブイリで、無人になってしまった周辺の町を見て、福島の立ち入り禁止区域やその近辺の町のことを思い出しました。原子力は、日本のように自然災害が多かったり、国の体制やその他の理由から安全な運転に問題が生じる可能性があると思われるような場所では、利用するのは危険ではないかな?と思います。

 

このドラマは私はAmazon prime video で見ましたが、スカパー、J:comなどのスターチャンネルでも視聴できるようです。