Junの英語学習ブログー英語通訳・翻訳・ガイド・講師ー

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妊娠5か月で仕事でアイルランド-楽しかったおじさん翻訳者さん達との日々-

2004年の5月に、アイルランドに行って翻訳の仕事をする機会がありました。妊娠5か月でしたが、それまでつわりで働けず、今まで登録していた派遣会社や翻訳会社にも「派遣の長期は、妊娠している人はちょっと紹介できないです。妊娠前から働いていて、継続しているんだったら、会社の理解も得られると思うんですが、妊娠してからだと難しいと思います。」という理由で断られ、在宅翻訳と演技力を生かして住宅展示場のサクラ(夫婦役)などをしてなんとか生計をたてていました。

 

このままでは、赤ちゃんの服とか物とか準備できない、とどうしようかと思っていたら、ある翻訳会社からメールで連絡がありました。半年以上期限が残っているパスポートを持っていて、3か月以内に海外に行ってしばらく滞在して翻訳の仕事ができる人を探している、という内容でした。「たしか、あの会社には、コーディネーターさんに妊娠したことも伝えと思うけど、気にしない会社だったのかもしれない。」と思い、とりあえず説明会に出席しました。

 

説明会に行ってみたら、3分の2が男性でした。翻訳者は通訳者に比べると男性の比率が高いと思います。そこで、アイルランドのダブリンに1か月くらい滞在して、翻訳できる人を探している、という話しがあり、その他の条件なども説明されました。出発まで2か月くらいだったと思いますが、とにかく今行ける人が欲しいとのことでした。妊娠のことも全く話に出なかったので、「多分OKということなんだろう」と思って参加することにしました。

 

しかし、アイルランドに行く時期は、ちょうど妊娠5か月にあたります。一応お医者さんに相談しました。すると、「うーん。」とちょっと考え込んでいましたが、「まあ、安定期と言えばそうだし、生まれる心配も少ないんでまあ大丈夫でしょう。」という話しでなんとか許可がおりました。そこで、妊娠5か月でアイルランドに行って、現地の翻訳会社に通って翻訳することになりました

 

ガラスの製造マニュアルの翻訳ということで、最新の技術を外に出したくないために、現地で翻訳することになった、とかいう話でした。合計11人(たしか)のうち、女性4名、あとは男性でした。それも40~50代後半くらいの人が多く、30代は一人だけ、女性は30代が2人(一応まだ入ってました(^^;))と40代が1人、50代が1人で、女性4名男性7名だったと思います。「ちぇっ!おじさんばっか。若い男がいねえ。つまんないの。」とはじめは心の中で思ってました。

 

ところがそれが、超個性的な方々が多く、予想に反して?とても楽しい日々を過ごすことができたのです。最初は上のような理由からやや沈んでいたのですが、オーガニック野菜の市場があるというと、年甲斐もなく40代50代の叔父さんたちが走っていくわ、「麻薬中毒患者にあったらどうしたらいいか」とか真顔でわけわかんない質問するわ、パンダの模様がついたカップを日本から大事に持って来るわ、言うことはいちいち笑えるわで、とにかく毎日お腹が痛くなるほど笑っていました。他にもいくつかとても楽しかった仕事はありますが、この仕事も仕事内容と言うよりもメンバーが面白かった仕事のうちの1つでした。

 

日本人翻訳者のチーム以外に、台湾からのチームもやはり10人程度来ていました。英語から台湾の中国語(微妙に違うんだそうです)の翻訳者の皆さんでした。こちらは日本チームと異なり、20-30代の若い女の子が多く、男性はリーダー除いて2名だけでしたがやはり20代だったと思います。とてもいい子ばかりで、休みの前の日は台湾料理をごちそうになりにいったり、2チーム合同パーティーをしたりしました。こちらのチームのリーダー翻訳者の男性は小さい頃アメリカに渡って、それ以降ハワイ在住という方で、旅行業もやっているというとてもしっかりした人でした。この人が中心になっていつもの通勤バスの運転手さんにお願いして、一日観光旅行に行く機会を作ってくれました。U2のボノの家の前を通ったり、どこだったか名前は忘れましたが、海岸と湖に行ったり、ホームスパンの工場を見たりしました。最近日本でも売ってるのを見かけますが、AVOCAというブランドの工場兼店舗だったと思います。

 

運転手さんの話で印象に残ったのが、イギリスとの領土をめぐる争いが激しかった頃の話でした。私が本格的に英語の勉強を始めたころ、まだアイルランド共和軍という言葉がよくCNNなどで使われており、そのグループの過激な人たちがテロ事件なども時々起こしていました。アイルランドは宗教はカトリックですが、イギリスがプロテスタントなため、宗教の違いで家族の間でも溝が出来たりして、大変つらい思いをした人も多かったそうです。運転手さんの家族も、そういう争いに巻き込まれて辛かった、と言うお話だったと思います。後で自分がガイドとして働くようになってから、こういう個人的な話も、人の心を打つことがあるということを思い出し、多少個人的な話も混ぜてガイドするようにしています

 

妊娠してることは皆さんには言わなかったので、みんな「ちょっと太目の人」だと思っていたようです。ただ、途中で30代の男性翻訳者に、「もしかして妊娠してるんですか?」と聞かれたので正直に答えました。別に内緒にしていたわけではないのですが、「誰にも言わないので安心してください。」と言われました。私も、「やっぱりまずかったんだろうか?でも会社の担当の人には言ってあるはずだし…」と思っていましたが、後で私が妊娠を伝えた時期に、ちょうどその会社の担当者さんが退職していた、ということを知りました。ちょうどブランクの時期だったみたいです。もし、その人が辞めていなかったら、断られていたかもしれません。偶然、うまく転んだ話だったようでした。

 

 約一か月、このように楽しく過ごすことができました。シングルなので新婚旅行に行く機会も、お友達と旅行などという機会はありませんが、仕事で色々なところに行っているので、旅行については、旦那さんがいる人と同じような経験はできているのではないかな?と思います。またこんな機会があるかどうかわかりませんが、これ以降、おじさんたちは面白いということがわかり、他の会社で語学関係の仕事をした時も、若者がいないからといって腐らず、楽しく過ごすことができています。最近、この頃のメンバーの皆さんはどうしているだろう?と思い出したのと、こういう仕事もあるという紹介を兼ねて、過去の思い出を簡単に書いてみました。

 

 

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