英語通訳・翻訳・ガイド・講師 Junのブログ

東北を拠点に英語通訳・翻訳・通訳ガイド・英語講師のJunが、英語・教育・手芸などについて発信します。

コンピューター関係の翻訳が簡単だけど辛かった件

コンピューターが普及し始めた頃、妹がコンピューター関係に強い翻訳会社で働いていたこともあって、コンピューター関係の翻訳をしていた時期がありました。最初は、妹に「コンピューター関係の翻訳できる人がいなくて、人手が足りなくて困ってる。とりあえず英語力があればいいから、手伝って!」と言われて、SAP関連の翻訳を、妹のいる会社に1か月くらい通って行ったのが最初でした。1998年ごろじゃなかったかな?と思います。TRADOSという翻訳支援ソフトを使った翻訳でした(翻訳ソフトではありません。違いについてはまた後程説明したいと思います)。

 

それから、契約社員や在宅業務も含めて、何社かでコンピューター関連の翻訳の仕事をしました。IT関係は、技術の進歩が速くちょっとやらないでいると、内容についていけなくなるため、今ではもうできないと思います。それでも、もしかすると多少一般の方々よりは知識があるかもしれません。一応、インターネットの問い合わせコールセンターでも働いたことがあり、その際にMS office の講習会や、HTMLを使った簡単なHPの作成、コンピューターの中身の構造の研修を受講させれられました。国際電話のコールセンターもある会社だったので、そちらの方が自分としてはよかったのですが、インターネット部門に異動になってしまいました。コンピューターを開けて、中身の説明も受け、メモリ増設の方法なども教わり、後で考えてみると、結構役立つ研修だったかもしれない、と思いました。

 

そのような知識があったのと、当時まだあまりできる人が多くなかったことなどから、外資系の大手のコンピューター会社(中国系企業に買われたアメリカ企業)の翻訳部門などでも、契約社員で1年間翻訳の仕事をしたことがあります。

 

コンピューターの翻訳と、その他の分野の翻訳の違いを上げてみたいと思います。

文章が単純で訳しやすい。でも、意味はよくわからない場合もある(分野によりますが)

言葉の訳し方が、会社によってかなり異なっていて、会社に合わせた言葉を意識して訳す必要がある。例えば、某大手日系企業は、4文字以上の言葉の場合は長音のーをつけない(例:コンピューター× コンピュータ〇)。しかし、別の外資系企業ではすべてにーを付ける。また、そこの会社ではカタカナ語は2語以上の場合、言葉と言葉の間に・を入れるが、別の会社では半角スペースを入れる。

・言葉の意味がわからない場合には、とりあえずカタカナにしておけば、なんとかなる場合が多い。通訳もそう。

翻訳支援ソフトを使うことが多い。翻訳支援ソフトとは、翻訳ソフトではない。コンピューター関係の文章の場合、同じような文章がよく出ることがあるので、(例:ここをクリックしてください。エンターを押してください。など)、そういうものはあらかじめそのソフトに記憶させ、翻訳の途中でもよく出るものは100%一致の文章として、自動的に訳が出て翻訳者が見てOKの場合には、そのまま確定を押す、というもの。一致の具合によって、100-0%のものがあり、%が低い場合には、一から自分で訳さなくてはならない。言葉づかいが会社によって違うため、会社の用語集をインストールする機能もある。TRADOSが有名だったが(今ではSDL TRADOS?)、会社で独自に支援ソフトを作っているところもある。あと、最近はTRADOS以外にも、よく使われているものがあるようだ。

「定番の文章」のような分が結構あって、パターンを覚えると、結構やりやすいので、最初は翻訳者が足りなかったが、ある時からかなり人数が増えて、それとともに単価も下がってしまったようだ。

 

最近はほんとにこの分野については、翻訳の仕事をしていないので、よくわからないところもあるのですが、今でも上のような特徴に関しては、同じではないかな?と思います。

 

意味がわからなくても耐えられるから、とにかく翻訳の仕事がしたい、と言う人にとっては、やりやすい分野かもしれません。翻訳はある程度翻訳する分野の知識があることが理想だと思うのですが、TRADOSなどの助けもあるし、それほど英語力が高くなくてもできる(とは言ってもTOEIC800点くらいは必要だと思います)分野です。ある程度文章のパターンを覚えてしまえば何とか翻訳できるため、この分野については、知識も英語力もある意味中途半端でも、入っていける分野ではないかなと思います(以前の話)。だから私のような者も、なんとかやれたのだと思います。

 

でも、私の場合ですが、単純とは言え意味がわからない文章を延々と訳しているのがいやになってきてしまいました。もう少し複雑な、せめて意味がわかる文章を訳したい、と思うようになってしまったのです。そのため、契約社員の継続の話が来た時に、通勤にかなり時間がかかっていたこともありますが(往復4時間)、断ってしまいました。お給料がよかったので、ちょっともったいないといえばそうだったのですが、通訳もやりたかったし、翻訳もニュースとか、テレビのドキュメンタリーみたいなものを聞いて訳したいと思うようになったので、あまり未練はありませんでした。多分、こんな風に思っていたのは私だけだったかもしれないです。

 

でも、インターネット関係のコールセンターや、コンピューター関連の翻訳をやっていたおかげで、年令の割にあまりIT関係の物に抵抗がないし、勉強すればなんとなくできるのではないか、という気もします。また、コンピューターを使いこなせるようになったのも早かったし、嫌だなとおもっている割に、利益は多かったのかもしれません。

 

もし、これからこの分野で通訳翻訳をやりたいという方がいたら、やはり通信教育などで、IT関係の翻訳の基礎を勉強するか、ITパスポートとか、技術系の簡単な資格の勉強をしておいた方が、内容も分かってやっていて楽しいのではないかと思います。あと、在宅でIT関係の仕事をするなら、SDL TRADOS等、支援ソフトは必携だと思います。支援ソフトは、他の分野でも使えるのでは?と思ったことがあります。例えば、契約書関連の文書とか、観光関連など、数年に一度くらい、以前のものを下敷きに新たな翻訳部分を加えて翻訳する、量が膨大なので、何人かで分けて用語をある程度統一する必要があるような翻訳の場合は、とても役に立つのでは、と思います。

 

今日翻訳の仕事をしていたのですが、内容的に結構手ごわかったので、ふとコンピューター関係の翻訳は、単純だったな~、と思い出したことから、この記事を書いてみました。IT関係の翻訳をやりたいと思ってる方々、またはITでなくても翻訳・通訳をやりたいと思ってる方々の参考になれば幸いです。