Junの英語学習ブログー英語通訳・翻訳・ガイド・講師ー

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翻訳の分野について

一口に翻訳者といっても色々です。翻訳の種類について書きたいと思います。

大きく分けると、文芸(創作)とビジネス(事実)に分かれると思いますが、分け方も色々です。出版するものとそうでないものなどの分け方もあります。

 

・出版翻訳

文学など物語の翻訳と、ビジネスやノンフィクションなどの事実を描いたものに大別できると思います。文芸翻訳には、作家並みの文章のセンスが求められます。村上春樹がよく英語の小説を翻訳しているのは、ご存じの方も多いと思います。物語だからといって、想像で書いてもいいかというとそうではなく、原作の文章をどんな日本語に置き換えれば一番よく表現できるのか、ということを考えなくてはなりません。ノンフィクションの方にもやはり文章のうまさが求められますが、書いてあることは事実なので、比較的文体に凝ったりしなくても翻訳できると言えます。ビジネスの方のIT関係や経済、その他専門色が強い者は、やはりそういう分野の知識がある方が翻訳することが多いです。実用書になるとまたちょっと違うかもしれません。出版翻訳は、翻訳すると自分の名前が本に掲載されます。中にはペンネームを使っている人もいると思いますが、翻訳者としての名前を世の中に認知してもらえるといえます。

 

・実務・ビジネス翻訳

実務翻訳とは、会社などで使う文書や、その他の文章の翻訳で、基本的に名前が出ることはありません。経済、法律、企業のパンフレットや会社案内、内部文書、ウェブサイト、観光関連、医学、コンピュータマニュアル等の翻訳です。原則原文に忠実に翻訳します。この分野に携わっている翻訳者が一番多いのではないかと思います。専門分野をある程度決めている人の方が多いと思います。その道の専門家でなくても、勉強次第で専門の翻訳者になることは可能です。私の妹も実はコンピューター関連の実務翻訳者ですが、コンピューター関連の仕事を請け負っている翻訳会社のコーディネーターから独立して、自宅で翻訳をするようになりました。また、務めていた企業を退職して、それからその分野の翻訳者になったという人も結構多いです。電気や半導体などの、機械やコンピュータ関係の会社に勤めていた人が多いと思います。その会社の知識があるので、訳を頼みやすいということがあると思います。

私もこの分野の翻訳者に入ると思いますが、困るのが、時々新しい取引先などから、サンプルを提出してくれ、と言われることです。企業秘密があるので、出しても差支えないものにする必要があります。私の場合は、ガイドの資格があるので観光関連の翻訳を結構やったのですが、何かあるときは、公開済みの観光関連のものを出すことが多いです。新聞記事を独自に訳して出したという人もいます。

 

・特許翻訳

実務翻訳の一種と言えるかもしれませんが、特許翻訳という分野があります。これは特殊な分野と言えばそうですが、目指している人は結構います。翻訳は逐語訳の直訳に近い訳が求められます。その分野の知識があるか、特許事務所に勤めていた人が、独立してして翻訳者になることが多いと思います。翻訳学校で勉強する人もいます。身に着ければ、食べるのには困らない分野なのではないかと思います。私はやったことがありません。

 

・映像翻訳

戸田奈津子さんなどに代表される映画の翻訳が有名ですが、公開される映画の翻訳をやっている人は日本に10人くらいしかいない、と聞いたことがあります。DVDなどは、特典映像の翻訳があったり、映画館より文字数が多かったりすると訳し直しなどもあるので、結構需要があるようです。また、最近はケーブルやインターネットで見られるテレビ局が増えた関係で、需要は高まっているのでは?と思います。SSTという特殊なソフトを使うことが多いので、専門の学校に通って勉強する必要があります。企業のウェブサイトに掲載するビデオの翻訳も増えているようです。

この分野には、テレビ番組で使うための映像を翻訳する、素材翻訳という分野もあります。私はこの素材翻訳の仕事は割と多くこなしています。ビデオだけでなく、文書の翻訳のこともあります。ビジネス分野もそうですが、突然仕事が来て翌日提出、と言われることも多い、スピードが求められる分野になります。

 

だいたいこんな感じかと思います。昨日今日と観光関連の文章を翻訳して、翻訳会社に提出しました。結構スケジュールがタイトなことも多く、肩こりや手、腰、目などの調子が悪くなることが多いです。妹はPCのマニュアルなどの翻訳が多いので、ある程度自分で時間を調整することができるので、昼にジムに行って運動しているそうです。また、犬を飼って散歩するようにしているという翻訳者も多いです。私は昨日と今日、一歩も外に出ていませんが、明日は出て少し歩きたいと思います。体調管理も重要です。翻訳は、自分の好きな分野・知識のある分野の仕事をした方が、楽しく仕事できると思います。コンピューター関係の社内翻訳者をしていたことがありましたが、文章は単純なのに意味不明で、ちょっとイライラした記憶があります。私の妹は、だんなさんがマックのオタクだったため、パソコンのことは旦那さんにも相談できたし、最初に勤めたところがコンピューター関連の文書を扱う翻訳会社だったので、そういう文書にも、ソフトにも慣れていたので、仕事が出来ているようです。(コンピューターの翻訳には、翻訳支援ソフトが必要とされることがほとんどです。自動翻訳機ではありません。後程違いなどについても説明したいと思います。)

 

翻訳者になるには、やはり翻訳学校なり通信教育なりを受けた方がいいと思います。私も東京の通訳学校の翻訳コースで1年半ほど勉強しました。通訳の方が好きだったので後で転科しました。が、やはり専門分野の翻訳をやるには不十分だと感じることもあります。分野のターゲットを絞って教育を受けるか、翻訳会社の社員になって勉強することをお勧めします。翻訳のチェッカーから入るのもお勧めです。