Junの英語学習ブログー英語通訳・翻訳・ガイド・講師ー

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語学の無償ボランティアには基本的には反対

平昌オリンピックも始まって、結果が出た競技も出てきました。モーグルや、スピードスケートでは、メダルを取った選手も出たようです。平昌オリンピックもたくさんのボランティアによって運営されているようですが、その待遇のあまりの悪さに離脱した人も出たという記事がありました。その中には語学ボランティアもあるのですが、私は基本的には語学ボランティアを全くの無償にするのは反対です。

通訳コースの先生に言われていたこともあり、以前平昌でのボランティアの募集のサイトを読みました。確か、宿泊施設やユニフォームなどは提供するが、交通費も含めてお金は出ない、ということだったかと思います。私も以前スポーツ大会や国際会議などいくつかの国際イベントで働きましたが、すべて有償で仕事をしてきました。その際、ボランティアの方々とも話をする機会があったのですが、多少のお金はもらえている、ということでした。確か1000円から1500円くらいは出ていると話していたと思います。現地で仕事をしたのは、広島アジア大会ユニバーシアード福岡でしたが、長野のオリンピックでは日比谷のNTTで働いたので、現地の状況は分かりませんでしたが、最近、長野オリンピックでボランティアをした、という方の手記のブログを読みました。やはり、ユニフォームは支給でしたが、お金は出なかったとありました。そして、仕事は結構きつかったそうです。

きつい仕事なのに、時間が延長になったりしても、無償なので追加料金が出るわけではありません。オリンピックの場合はちょっとどうかわかりませんが(その方は時間外労働があった、と書いていました)、ガイドなどでも時間をはっきり伝えておかないと、長時間連れまわされたりすることがあります。それでも、ボランティアで無償だと、一切料金は出ないことになります。今年から、通訳ガイドは、無資格者も料金を得られることになりましたが、私はかえってよかったと思っています。多少料金をもらって、時間を決めて案内した方がお互いのためにいいと思います。

オリンピックでは有償の通訳は雇われても100人程度ではないか?という話しを聞いたことがあります。確か、広島アジア大会では、有償通訳は1500人前後だと聞いた気がします。それにプラス、マツダなど企業からのボランティアの方々がいました。ユニバーシアードでも、有償通訳は1000人くらいいたと思います。そして、どちらもボランティアは多少の謝礼が出るという話しでした。オリンピックは国家規模の重要な大会なのに、選手や世界の人と接するボランティアが無償でいいのでしょうか?無料でも大会に関係することをやりたい、何かかかわりたいと思っている人も多いと思いますが、その気持ちに付け込まれているようにも思います。箱ものなど大きなところで無駄なお金を使うのだったら、このようなところにお金を回すべきではないかと思います。結局、大企業が得をして、末端の人が損をする、ということになってしまうと思います。

ちなみに、日韓開催のサッカーワールドカップの時にも働きましたが、これも有償でした。この時は旅行会社に雇用され、大会の会場に直接行く仕事ではなかったのですが、直接行く仕事に配置された方々も、お金を得たと話していました。この大会でボランティアをやったという人には会ったことがないので、ボランティアがいたかどうかはわかりません。

実は地元では、国際会議の語学ボランティアしたことはあります。でも、ボランティアでも有償でした。金額はもちろん少なかったですが(3000円程度)、それでも無料ではありませんでした。多い時には15000円程度出たこともあります。

また、逆に、ボランティアの中には、少数ですが「働いてやっている。」という意識になってしまう方もいます。日本人と違って、欧米やアフリカ系(アジア人や欧米でもドイツ人は比較的集団行動が得意)の人たちは、わりと自由(というか勝手)に動いて自分が見たいところに行ってしまう傾向があります。こういう場合に、怒ってしまう方がいます。気持ちはわからないでもないのですが、やはり日本人と違うということを頭に入れておいた方がいいと思います。これも、お金をもらっていれば、「話してやっている」という意識は薄くなるのでは?と思います。私がいいままで関わったボランティアの方々は、みなさん、無償にも関わらずよくお勉強されていて、態度もしっかりした方々がほとんどでしたが、時々ちょっと問題がある方がいるようです。

無報酬は無責任ということにもつながりやすいし、逆にタダだからめいっぱい使ってやれ、という気持ちにもつながります。お金を払って働いてもらう人を増やした方が、その地域の経済にとってもいいのではないかと思います。東京の語学ボランティア募集はまだですが、できるだけ有償で働く人を増やし、またボランティアスタッフにも交通費程度だけでも料金を出してもらえることを願っています。