Junの英語学習ブログー英語通訳・翻訳・ガイド・講師ー

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中高年男性の志望者が多い語学の仕事-通訳ガイド-

語学の仕事というと、収入が不安定なことやもともと語学好きなのは女性の方が多い傾向があることから、女性の方が多いイメージがあります。実際、やはりプロで活躍している方々は女性の方が多いのですが、その中で男性の比率が高いのが「通訳ガイド」ではないかと思います。

通訳ガイドの二次試験の際、周りに中高年の男性受験者が多いのに驚きました。ちょっと失礼かもしれませんが、「うっわー!おじさん多いなー。」と思ったのを思い出します。正直言って、当時(2007-2010年ごろ)は「資格を取ってもガイドだけでは食えない」という状況だったので、この方々は定年退職したらガイドで生活していくんだろうか?できると思っているのか?いや、年金と合わせると、月1,2回くらいでも入れると結構いいお小遣い稼ぎになるのかも…、首都圏ならなんとなるけど地方じゃ無理だよ、等々心の中でいろいろ考えた記憶があります。

また、所属している岩手ひらいずみ通訳ガイドの会でも、世界遺産になる以前だったこともあり、時期によっては多少多くはいることもありましたが、ガイド回数はせいぜい1年に4-5回といったところでした。

ところが最近、状況が変わってきました。3、4年前くらいから、特に春のお花見のシーズンには「ガイドが足りないから、その辺(東北)で誰かやれる人がいないか?」と声がかかるようになりました。また、イスラム教徒のラマダン明けのシーズンのお休みの期間なども、旅行会社から声がかかることが多くなったのです。また、震災が明けたころから、海外の大型客船が東北地方(もちろん首都圏も)の港に入る機会が増加するようになり、寄港地での半日-1日ツアーでもガイドが必要ということで、ガイドの会やその他のルートから、ガイドの募集が来るようになりました。

そういう事情から、私の周りの定年退職後、または定年近くなってからライセンスを取った方々にも、仕事のチャンスが増えました。もちろん会社員の頃ほどの年収はガイド一本では無理ではないかと思いますが、ガイド以外の仕事、例えば語学講師、翻訳、日本語ツアーガイドなどと組み合わせると、食べるには困らない料金を稼げているのではないかと思います。

ガイドの会の中高年男性に多いのが、クルーズの寄港地のガイドに年に複数回入り、地元(岩手だと平泉が多い)のガイドがあるときはそちらにも数回、春やラマダン明け、年末年始などの観光客が大幅に増えるシーズンに4,5日から15日程度の通しのガイドを何回か入る、というパターンです。2016年度は、通訳ガイドの会に「定時ガイド」という毎日駅に待機して、個人旅行の観光客を案内するという仕事が入ってましたので、これも大きな収入源になったのではないかと思います。ガイドの会でシフトを決めて、一人月に2回から4回程度入れるように組んでいました(残念ながら、2017年度はこの仕事はありませんでした)。

登録先は、大手ガイド団体以外にも、岩手ひらいずみ通訳ガイドのような地元ガイド団体、国内旅行会社(クルーズガイドを手配しているところが地方在住者にはお勧め)、それと、最近では海外の旅行会社で日本に大量に旅行客を送り込んでいるところが増えたので、そちらへの登録もお勧めです。厳しい試験がある会社もありますが、会社に会う人材であれば、中高年も採用される可能性が大いにあります。知り合いの東北在住の男性ガイドさん(60代)も、アメリカ資本の外資系会社に合格して、かなり稼いでいる、という話しを聞きました。シンガポール資本の会社で頑張っている60代後半の方もいます。

少し前まで、「定年退職してこの資格とっても仕事すんのムリなのに、なんでみんなとりたがるの?」と、以前は不思議に思っていたガイド資格ですが、少なくとも東京オリンピックの前後までは需要はどんどん伸びるのではないかと思います。このような状況なので、定年後に何か語学の仕事をしたいと思っている方には、特に今はお勧めです。